月におかゆ

白河綾の占星術&タロット研究室

夏になると私は、

天気の話がしたいわけじゃない。

 

カードを読むときに「抽象的で申し訳ないんですが、」と相手に前置きをつけることが多くなった。
これは実占の現場だとちょっとよろしくない。
だって鑑定に来る人は、いつだって超個人的で具体的な悩みに対する答えが欲しいからだ。
イギリス生まれの概念の塊のようなカードから、日本語で超具体的な答えを出さなきゃいけない。
あの人と別れた方がいいのか、来月の仕事はうまくいくのか。
世界一有名なタロットを作ったウェイトさんとスミスさんはそんな100年後の未来を予想しただろうか。

 

 

夏になると、煙草が吸いたくなるという癖がある。
私は煙草をものすごく嫌悪している。
歩き煙草をしている人を見ると、殺意すら湧く。

それなのに。
夏になると無性に煙草が欲しくなる。

学生の頃にもうほとんどかっこつけのためだけに吸っていた時期がある。
はじめて吸ったのはHi-Liteだったような気がする。
当時持っていたぬいぐるみと一緒に、部屋に並べて写メを撮った記憶がある。

ただ、Hi-Liteは重くって、吸ったことに対する罪悪感もすごくて、吸いきれずに捨ててしまった。
なんとなく、女性向けのピンクの箱の煙草を携帯して、大学前のフレッシュネスバーガーのテラス席で吸っていた。
似合わないのはよく分かっていたのは誰よりも自分自身だったし、吸ったからと言って特別頭がスッキリするとか、やる気が起きるとか、そういった効果はまったく感じられなかった。

「先輩よくないですよ、よくない」と演劇部のかわいい後輩がアニメ声で叱ってくれたけど、夏休みの間は吸っていた。
合宿先でも吸っていて、「似合わねぇなぁ」と男の先輩に笑われた。
そして秋になって涼しくなると、まったく欲しくなくなっていた。

 

よくよく思い出すと、夏休みは、恐ろしく夢見が悪かった記憶がある。
はっきりと起きてるとわかっていても夢と現の境目が曖昧で、友だちに何度も一緒にいてくれと頼んだ。

少しだけ大人になってしまった今では、夏は、10代の頃の感受性が取り戻せて少し嬉しいような、怖いような、そんな季節です。

 

 

タロットを、もっと抽象的に読みたいと思う。
もちろん、質問者や主題をはっきりさせるというところはぶれないようにする。
ただ、結果として得られるイメージを、あまり具体的な言葉に落とし込みたくない、と抵抗してしまうことがある。


質問に対する答えを具体的な言葉として伝える以外に、方法はないんだろうかと思う。
それじゃリーディングが成り立たないと突っ込みが入るかもしれないけど、私に違和感があることは確かで、どうにかできないかと模索する日々です。

 

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